「母の家がごみ屋敷」を読んだ衝撃
群馬の実家片づけアドバイザーの《おのあけみ》です。
毎日新聞の記者、工藤哲さんか書いた「母の家がごみ屋敷」は、毎日新聞に掲載された一連のキャンペーン報道の記事が元になった本。高齢者のセルフネグレクト(自己放任)問題が実例入りで赤裸々に綴られています。行政や医療、専門家がそれぞれの立場から問題に取り組む姿勢が語られています。
テレビでも時々放映されてますねー。
夫(妻)が亡くなった、子供が家を離れた、高齢でゴミ出しができない、認知症で‥
さまざまことがきっかけに全てがどーでも良くなる。食べることも、お風呂に入ることも、部屋が汚れていることも、ゴミがあっても、着替えることも。
核家族化が進み、高齢者の一人暮らしは年々増えています。そして年を取ると少しずつできないことが増えていきます。
ケアが必要なdeadラインは「ゴミ出し」です。うちの区域にも朝のゴミ出しに遠くからキャリーにゴミを乗せてくるお年寄りが‥ゴミ出しができるうちはいいけど、出せなくなったらSOS!体力的にできなくなる以外に、ゴミの分別を注意されてゴミ出しができなくなるといった精神的な要因も見逃せません。
本には「ゴミ出し支援制度」なるものがある市町村も。
たかがゴミ出し、されどゴミ出し。
ゴミ出しができずに少しずつゴミ屋敷化が進む。
遠くで暮らす子世帯は親の実状を分かっていますか?外に助けを求めることを頑なに拒む高齢者。子世帯が忙しくて、遠くて親の世話をできないなら、うまく外の力を借りるように仕向けられませんかー?介護サービス、お掃除サービス、片づけサービスなど外部サービスを普通に依頼できるように。
家事を頼むのは贅沢ではありません。恥ずかしいことではありません。誰でも年を取ると体力、気力はダウンするんですから。
自分の親がどんな暮らしをしているか、どの程度、老いているか、客観的に観察してみましょう。
たまーに帰る息子、娘に、母親がうれしくてがんばったもてなしに甘んじてはいけません。忙しいからと、両親ががんばっているところだけを見て、大丈夫ーなんて思ってはいけません。そしてセルフネグレクトは誰にも起こりうることなんだということも忘れてはいけません。失恋や失業、過度な業務、隣人や友達とのいざこざなど、自分自身もなりうるのです。
興味のある方はぜひ、同書を手にとってみてください。